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2024年07月29日夏の皮膚トラブルについて

夏は紫外線、汗、動植物や微生物が活発になることにより、
さまざまな皮膚トラブルが起こりやすくなります

子どもの皮膚は大人と比べて皮膚の厚さが薄い為、
汗による刺激、細菌やウイルスの侵入による影響を受けやすいです

子どもの皮膚の特徴を理解し適切な対処やスキンケアを行うことで
夏の皮膚トラブルを減らしましょう



 

あせも
大量に汗をかいた時に、汗の管が詰まるなどして
発汗がうまくいかなくなるとあせもができたりします

《予防方法》
・野外での運動、プール、海水浴や遊びから帰ったら汗をかいたままの状態は避け、
 シャワーを浴びて保湿剤を塗るなどのスキンケアをしましょう
・屋内ではエアコンを上手に使って温度と湿度を調節し、
 汗ばまないようにしてあげましょう

※外出先などですぐに入浴・シャワーができないときには濡れタオルや
 ウェットテッシュなどで汗を拭く、あるいは下着や衣類を取り替えることも有効です
 吸水性のよい綿素材の下着を選択すると良いでしょう





とびひ
夏に温度、湿度が上がり微生物の増殖が多くなります
肌のバリア機能が弱くなっているときに起きやすい皮膚トラブルです

《予防方法》
・皮膚のバリア機能を高めるため普段からスキンケアをしっかりと行う
・手洗いの徹底
・皮膚を傷つけないよう爪をこまめに切る

とびひが発症したときはシャワー浴をさせましょう
兄弟がいる場合、感染時は最後に入浴させるほうが好ましいです
接触感染するため、患部は軟膏塗布後ガーゼなどで保護することがおすすめです





日焼け
子供の骨の成長のために適度な日光浴は必要ですが、
紫外線をたくさん浴びすぎると将来的に皮膚がん、シミ、
しわや目の病気を引き起こしやすくなりますので
子供の頃から紫外線対策を行うことはとても大切で

《予防方法》
つばがある帽子や首の後ろまでカバーできる帽子や薄い長袖などを利用したり、
 プールではラッシュガードで肌を守ることも良いでしょう
 また、1歳以上で自分で歩けるようになった幼児には日焼け止めの使用をお勧めします
 走り回って汗をかいた時や、2~3時間ごとに日焼け止めを塗り直すようにしてください
 ※もし皮膚が赤くなってしまったら、冷たいタオルで冷やしてあげましょう

《日焼け止めの選び方》
・低刺激でベビー用・子ども用のものを選びましょう
・石鹸だけで落とせる日焼け止めがおすすめです
・日常生活ではSPF15~20、PA++位を目安に選びましょう




 
虫刺され・かぶれ
植物によるかぶれはウルシ科の植物(ウルシ・ハゼ)で多く、
山歩きの最中の触れるなどして皮膚炎を起こします。
また、さまざまな虫に触れたり、刺されたりして皮膚障害をきたします。

《予防方法》
・自然の中に遊びに行くときは、なるべく肌を露出しないように
 長袖・長ズボンを着用したり、虫よけなどを使ったりしましょう。

<塗る順番>
保湿剤→(赤みの軟膏)→日焼け止め→虫除け


※虫除けを使用する時、子供の場合は成分を吸い込まないように、
スプレータイプではなくローションタイプを選び、
保護者の手に一度つけてから塗ってあげるのが良いでしょう
その際、お子さんの手指には虫よけを塗らないでください
お子さんは無意識のうちに手を口に入れたり、目をこすったりするものです

もし虫に刺されたら・・・
 まずは患部を石鹸と水で十分に洗い流しましょう
 ※もしハチやムカデに刺されアナフィラキシー症状が出たら直ちに救急車を呼びましょう
 翌日以降に赤みやかゆみが引けない場合は皮膚科もしくは小児科を受診しましょう


夏の皮膚トラブルを避けるためには、汗や汚れを落とし、
かつバリア機能を保てるようにスキンケアをきちんと行うことが大切です

次にスキンケアの方法について紹介します!


2024.8.1 改訂

参考文献:子どもの保健と育児を支援する雑誌 チャイルドヘルス 夏の皮膚トラブル
     ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック
     日本小児皮膚科学会HP